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ボローニャの柱廊にて 6「美術は世界の言葉!」(週刊上田 2004年4月17日掲載) 週刊上田に連載されたものを、許可を得て掲載しています。 |
古い大学街の一角、国立絵画館と同じ建物のなかに、今私が通っているアカデミアがあります。 絵画・彫刻・舞台美術のコースを中心に、絵画修復などの科目もあります。 学校の事務手続きや準備には、生活用語とは違うイタリア語が必要なため、戸惑うことばかり。 アカデミアを卒業した知人や、同じ彫刻科に3年生の日本人の男の子がいたので、助けてもらい 何とか様子がわかってきました。 私は、日本とはまったく違う大学のあり方を眼にし、驚き感動しています。 日本のように画一的なカリキュラムを履修していくのではなく、1年生でも何を学びたいのか、 自分で決めていくのです。 教授は、各自のテーマ(模型など)を持ってきた学生の相談に乗り、アドバイスするのです。 それ故、学びたいテーマをしっかりもっていない学生は脱落していきます。 学校だけでなく、あらゆる場面でもいえることで、「あなたはいったい何をやりたいの? そのために私 のできることは…」という態度で、私たちに対崎してきます。 本人の自主性・積極性・課題意識がすべてで、主張しなくては何も始まらないお国柄なのです。 同じ教室のなかで、それぞれ1〜4年生。卒業生もいる)異なることをやっているのですから、まずは 不思議に思いますよね。 私のテーマは大理石彫刻を学ぶことでしたから、大理石の先生に交渉しています。 そのほかの教室にも顔を出し、いろいろ吸収したいと思っています。 ここでは日本ではあまりない、人体解剖学や絵画修復にも力を入れています。 言葉はわからなくても、作品を前にすればどの国の人とも、ともに感じ合うことができ、 「美術は世界の言葉」とつくづく思います。 なお、アカデミアでは定年退職後くらいの年配の人も学んでいて、私も勧まされます。 |
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