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ボローニャの柱廊にて 1

まずはなつかしのシエナへ
(週刊上田 2004年1月31日掲載)
週刊上田に連載されたものを、許可を得て掲載しています。

 ここトスカーナは穏やか な日差しを浴びて、丘には 麦や牧草の新牙が柔らかな 緯に輝き、まるで春といっ た感じです。本当にトスカ ーナは、どの季節も麗しい ですね。しかし朝夕は深い 霧に包まれ、とても冷えま す。日較差が大きいのです。

 私たちは日本を年末に出 発し、イタリア・トスカー ナ州のシエナ郊外の友人宅 に着いたところです。
 ちょうどその日は日本で いう大晦日。こちらではチ エノーネといって、外で一 晩中食べまくるという日で した。私たちは友人家族に 誘われ、いっしょに近くの レストランで、これ以上食 べられない! というくら い食べ通しました。このと き食べるブタの足とレンズ 豆は、幸運を呼ぶのだとか。 楽団の入ったその場では、 とくにカウントダウンは大 騒ぎで、年が変わるとダン スパーティとなりました。

 私たちは1997年〜98 年の約1年間をこの地に暮 らしたことがあります。そ れ故知り合いがたくさんで き、そんな人たちにも会え、 互いに「新年おめでとう! Buon anno. Auguri!」と 言い合っています。

 2、3日後には今回の目 的地であるボローニャに期 待と不安を持っていよいよ 向かいます。不安というの はそう、言葉が通じるかど うかということです。以前 の滞在でわずかですがこち らの語学学校でイタリア語 を学びましたが、我々中年 にとっては言葉の壁は厚い ものがあります。何より聞 きとりが難しいのです・・・。

 いまや不安や危険がいっ ぱいの世界中ですが、よい 年になりますように!





●羽田籠史(本名・貞久)  さんプロフィール
 49年和田村に生まれる。
上田高校を経て東京学芸大 学美術科彫刻専攻卒業。以 後20年間、東京都内小中学 校の美術教師として勤務。
 92年より東部町で工房mymyを主宰。 96年にはNHK出版協会「ソフィーの 世界」 ″わたしはだれ″手 紙コンテストに入選。

●週刊上田 縞集部より
 羽田龍史さんが、彫刻を 学ぶため、イタリアのボロ ーニャ大学にあるアカデミ アに留学。奥様純子さんと ともにイタリア生活を満喫 (?)していらっしやいま す。古くて新しい町ボロー ニャから、随時掲載でお届 けします。

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